水入れ、朝から減ってませんよね

新しい水に替えて、置いて、見に行って。

朝からまったく減っていない。

そういう日、ありませんか。

うちのらびちゃん(サビ猫)がまさにそれです。じっとしていることが多くて、動き出したときしか水を飲みません。

一方で先住のまお君(ラグドール)は腎臓ケア中で、自分からよく飲みます。

同じ家に住んでいて、同じ水を置いているのに、ここまで違うのかと思っていました。

ただ調べてみると、水を飲まないほうが、猫としては普通でした。


猫の祖先は、砂漠に住んでいた

今の飼い猫(イエネコ)のもとになったのは、リビアヤマネコという種類だと言われています。

住んでいたのは、中東から北アフリカにかけての乾燥地帯。

つまり水が簡単には手に入らない場所です。

そこで生き延びるために、猫の体は「水をあまり飲まなくても平気」な方向に作られました。


水は「飲むもの」ではなく「食べるもの」だった

砂漠の猫が水分をどこから摂っていたかというと、獲物そのものです。

ネズミや小鳥の体は、7割以上が水分でできています。

食べるもの 水分の割合(目安)
ネズミなどの生きもの 約70〜75%
ウェットフード 約75%
ドライフード 約10%以下

獲物を食べていれば、それだけで水分がほぼ足りていたということです。

水場までわざわざ行く必要がなかったので、積極的に水を飲む習慣そのものが育たなかったわけですね。

うちのらびちゃんが「ついで」にしか飲まないのも、わがままではなく標準装備だったようです。


おしっこを濃くできる腎臓を持っている

もうひとつ、砂漠向けの装備があります。

猫の腎臓は、水分をぎゅっと節約して、濃いおしっこを作れるようにできています。

体に入ってきた水をなるべく捨てない、という仕組みです。

これのおかげで、水が少ない環境でも生きていけました。


ところが、その装備が今はつらい

ここからが本題です。

現代の猫の生活は、砂漠とはまったく違います。

  • 獲物を食べない
  • 水分10%以下のドライフードが主食
  • でも体のつくりは砂漠のまま

つまり入ってくる水分だけが激減した状態です。

しかも腎臓は「水を節約する」設定のまま、ずっと濃いおしっこを作り続けます。

これが長く続くと、腎臓に負担がかかります。

猫に腎臓の病気が多いと言われる背景には、この体のつくりがあるとされています。

うちのまお君の場合

まお君は腎機能が落ちていて、毎日皮下点滴をしています。

ここで少しややこしいのですが、まお君はよく水を飲みます。

これは「飲めていて良い」という話ではなく、体が水分を保てなくなっているぶん、飲んで補っている状態です。

水をよく飲むようになった、おしっこの量が増えた。これは腎臓のサインのことがあります。

「うちの子よく飲むから安心」とは、必ずしも言えないところです。


じゃあ、どうすればいいのか

砂漠仕様の体に合わせて、こちらが環境を寄せていくのが現実的です。

ズボラでも続けられるものを並べます。

① 水の置き場所を増やす

いちばん効きました。

猫は「わざわざ水を飲みに行く」ことをあまりしません。だったら移動のついでに通る場所に置けばいいわけです。

うちは廊下にも置いていて、らびちゃんは移動のついでに飲んでいます。

② ごはんから水分を入れる

本来の形がこれなので、いちばん理にかなっています。

  • ウェットフードを混ぜる
  • ちゅ〜るに水を多めに入れる
  • ドライフードにぬるま湯をかける

うちはちゅ〜るに水を足しています。らびちゃんはこれなら確実に摂ってくれます。

③ 水を新しくする・温度を変える

冬は冷たい水を嫌がる子が多いそうです。熱くする必要はなくて、冷たくなければいいくらいで十分でした。

④ 器を変えてみる

ヒゲが当たるのを嫌がる子もいるので、口の広い器にすると飲む量が変わることがあります。


気にしておきたいサイン

水まわりで「いつもと違う」が出たときは、記録しておくと受診のときに役立ちます。

  • 急に水を飲む量が増えた
  • おしっこの量・回数が増えた
  • 逆にほとんど飲まない日が続く
  • おしっこが出ていない(これは急いで病院へ)

特に飲水量の増加は、腎臓のほかにも糖尿病や甲状腺の病気で見られることがあります。


まとめ

  • 猫の祖先は砂漠の乾燥地帯に住んでいた
  • 水分は獲物の肉から摂るのが本来の形(ドライフードは水分10%以下)
  • 濃いおしっこを作れる腎臓を持っていて、水が少なくても生きられた
  • その体のままドライフード中心の生活になったので、水分が足りなくなりやすい
  • 腎臓の病気が多い背景にもつながっている
  • 対策は「飲ませる」より通り道に置く・ごはんから入れる

水を飲まないのは、しつけが足りないわけでも、性格のせいでもありませんでした。

そういう生きものだったというだけです。

そう思うと、水入れを増やすくらいは、やってもいいかなと思えてきます。


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この記事は一般的な情報提供を目的としています。愛猫の体調に不安がある場合は、必ず獣医師にご相談ください。